ホワイトバランスは、カメラで白いものを白く写すための色補正機能です。
フィギュア撮影では、グレーカードを使用してホワイトバランスを取得するのが一般的です。
ホワイトバランスの設定
ホワイトバランスは、撮影時にカメラ側で設定できますが、撮影後にRAW現像で調整する方法がおすすめです。
理由はシンプルで、RAW現像ならホワイトバランスの調整は一切劣化を伴わないからです（jpgは撮影後に調整すると劣化するので注意）。また、本番と同じ撮影環境でグレーカードを一緒に撮影するだけなので、大して手間もかからないからです。
現像ソフトによって操作方法は若干異なりますが、僕が使っているLightroomの場合は、ホワイトバランス選択スポイトツールを使って、グレーカード（理想は反射率50%ライトグレー）をクリックするだけで、自動で色温度と色かぶりが補正されます。
ちなみに、コピー用紙等で代用される方もいますが、グレーカードを使った方が、より正確なホワイトバランスを取得できます。
後はグレーカードを写していない本番カットに、補正された色温度と色かぶり補正の値をコピペするだけです。
僕はレンズに対してほぼ正面に置いていますが、グレーカードはカメラと主光源の角度1/3の方向へ向けるのが正しい置き方の様です。また、反射率50%のライトグレーカードを使えば、より正確なホワイトバランスを取得できます。
jpg保存する場合は、カメラの説明書を参考に撮影時にマニュアルでホワイトバランスを取得して下さい。
カメラによって操作方法は異なりますが、本番と同じ撮影環境で中央付近にホワイトバランスの基準となるものを写して取得する機種もあれば、画面一杯に写さなければ取得できない機種もあります。いずれにせよ、撮影時にしっかり設定しておく必要があります。
RAW保存する場合は、カメラのホワイトバランスはオートでOKです。
背景紙の色被りに注意
ホワイトバランスは、光源だけでなく背景紙の影響も強く受けます。
例えば、僕が黒背景で撮影する時に使っているウーペブラックの様に、床面からの色かぶりがほとんど発生しない背景紙では、ホワイトバランスは綺麗に取得できます。オートでもそこまで大きなずれはでないですし、撮影後にも綺麗に補正できます。
ですが、レザックスカイの様な床面からの色かぶりが目立つ背景紙では、床面に近いほど色かぶりした反射光の影響を強く受けるため、グレーカードを使っても、ホワイトバランス上手く補正できないことがあります。また、オートでは大きくずれることがあります。
例えば、レザックスカイで撮影した上の写真では、床面付近で取得したホワイトバランスと床面から離れた場所で取得したホワイトバランスでは、色温度で±150、色かぶり補正で±3程度の差が出ていました（黒背景の方はどちらで取得してもほぼ同じ）。
少しイメージしづらいかもしれませんが、床面からの（色かぶりした）反射光の影響で、上下のホワイトバランスがずれているのが原因です。色温度の異なる光源を使用して撮影した時と同じ現象です。そのため、床面付近でホワイトバランスを取得すると、上の方が少し黄色っぽくなり、床面から離れた上の方でホワイトバランスを取得すると、下の方が青っぽくなります。
正確な色を再現したい場合は、線形グラデーション等を使ってホワイトバランスを補正しない限り、必ず上下で色かぶりが発生します。
個人的には、正確な色を再現したいのであれば、色かぶりの目立つ背景紙（蛍光色系は特に）はあまりおすすめしません。
最後に
オートでも綺麗に撮れるケースはありますが、正確な色を再現したいのであれば、グレーカードでホワイトバランスを取得して下さい。
但し、グレーカードはあくまで色温度と色かぶりを補正するためのツールです。より正確な色を再現したい時は、別途カラーマネジメントツールが必要です。必須のツールという訳ではありませんが（個人的には正確な色を出したいなら必須だと思っている）、ホワイトバランスの調整とプロファイルの変更で色味がイメージ通りに仕上がらない時は、購入を検討してみて下さい。
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