ストロボ天井バウンスでフィギュアを撮影する方法をまとめています。
天井バウンスのやり方
天井バウンスは、カメラに装着したクリップオンストロボを天井に向けて発光し、跳ね返った光で撮影する方法です。
拡散した広範囲の光が被写体に当たるので、影が柔らかく、全体を明るく撮影できるのが特徴です。
この際、TTL(自動調光)機能が付いたストロボであれば、光量はストロボが自動調整してくれますが、必ずしも自分のイメージした露出になるとは限らないので、必要であればストロボの光量及びカメラ側の設定で露出を微調整して下さい。TTL機能が付いていないストロボは、試し撮りしながらストロボとカメラの設定を全てマニュアルで操作する必要があります。
また、ストロボを少し後ろに向けて発行すれば順光気味の光になりますし、少し前に向けて発行すれば逆光気味の光になります。横に向けて発行すればサイド光気味の光になるので、お好みで調整して下さい(被写体に直接ストロボが当たらない様に注意)。

今回はTTL機能が付いたストロボを真上に向けて撮影しました。カメラの設定は、F5.6、SS1/200、ISO125です。
基本的に影は下に落ちるので、背景紙はレフ版代わりにもなる白系の背景紙がおすすめです。影が薄くなって柔らかい印象になります。

自動調光ではイメージした露出よりもだいぶ暗かったので、カメラの設定はそのまま、ストロボの光量を+1.0に調整して撮影しました。
ストロボをフル発光させている場合は、F値及びISO感度で露出を調整して下さい。

顔回りが少し暗かったので、カメラとストロボの設定はそのまま、レフ版を追加して撮影しました。
定常光とは違って、撮影前に目視で確認できないので、撮影しながらレフ版の距離や角度を調整して下さい。

大体イメージ通りになったので、これで天井バウンスの撮影は完了です。
レタッチでホワイトバランスとプロファイル、露光量を若干調整していますが、他は撮影時のままです。

TTL機能が付いたストロボでも、最初から一発で完璧な写真が撮れる訳ではないので、とりあえず天井バウンスで撮影してみる。ストロボ及びカメラで露出を調整する。気になるところにレフ版を置いて調整する。といった流れで試行錯誤してみて下さい。
TTL機能が付いていないストロボの場合は、ライブビュー表示の設定効果反映をOFFにして(ONだと液晶が真っ暗で撮影しにくい)、ZOOM機能があれば一番広角側(望遠側にすると照射範囲が狭くなるので光が硬くなる)で試し撮りしながらストロボとカメラで露出を調整して下さい。最初は少し大変かもしれませんが、撮影部屋の最適な設定が分かれば、次回からは設定が楽になるはずです。
天井バウンスのメリットは、そこそこクオリティの高い写真を簡単に撮れることです。ストロボ、レフ版、背景紙(最低限の撮影ブース)だけで撮影できます。また、部屋の照明をつけたまま撮影できますし、シャッタースピードが速いので手持ち撮影もできます。
デメリットは、シャッターを切をるまで結果が分からないことです。また、色の付いた天井では色かぶりが起きるので、上手くホワイトバランスがとれなくなったり、色味がおかしくなる可能性もあります。そして、良くも悪くも無難なライティングになります。
ストロボについて

ストロボの価格はピンきりです。
予算に余裕があるなら、操作性に優れていて安心して使える純正のストロボをおすすめしますが(安くても2万円前後するかも)、純正のストロボを使えば綺麗に撮れる訳でもないので、個人的にはTTL機能が付いていて1万円前後で購入できるNEEWERのNW645II-S(ソニー用)や後々多灯ライティングに移った時にも使いやすいGodoxのTT600(TTL機能なし)がおすすめです。
購入を検討されている方は、対応メーカーとTTL機能のありなしを確認して選んで下さい。
ちなみに、僕は安価なストロボのNEEWER TT560も持っているのですが、TT560でも天井バウンスはできます。ただ、光量を1段ステップでしか調整できないですいし、ZOOM機能もありません。もちろんTTL機能もありません。僕がフィギュア撮影を始めた頃は、セールで1,500円ぐらいで購入できたので、お試しでも十分買う価値はあったのですが、現在の通常価格7,000円出してまで買う価値はありません。
ズーム機能について
ストロボのズームは照射範囲を変更できる機能です。
レンズの焦点距離と同じで、数値が小さい程照射範囲は広く、大きい程照射範囲は狭くなります。ただ、天井バウンスで撮影する時は、広角側に設定しておくことをおすすめします。望遠側でも撮影できますが、ハイライトや影が広角側よりもきつくなるからです。
参考までに、照射角24mmと105mmで撮影した写真を比較してみて下さい(照射角以外の設定は全て同じ)。
風船のハイライト、リボンや顔回りの影を比較すると違いが分かりやすいと思いますが、望遠側は若干光が硬く感じます。もちろん、少し影を強めに入れたい時やメリハリを付けたい時は望遠側に調整しても構いませんが、柔らかい印象になるのは広角側です。
シャッタースピードについて
ストロボ撮影をする時は、カメラをマニュアルモードにして、シャッタースピードを1/160~1/200秒に設定するのがおすすめです。
ストロボは瞬間光なので、定常光の様にシャッタースピードで露出を調整することはできません。また、カメラのフラッシュ同調速度以下であれば、ストロボの露出は変わりませんが、シャッタースピードを遅くする程、定常光の影響を受けます。
定常光の影響?と思った方は、カメラの設定はそのまま、ストロボをオフにして撮影してみて下さい。その時に撮れた写真が明るければ明るい程、室内照明等の定常光の影響を受けていることになります。理想は真っ暗(ほぼ真っ暗)になっている状態です。

この状態であれば、部屋の照明はつけたまま撮影しても問題ありません(室内照明の影響をほとんど受けないため)。
室内の照明は目で見るよりもずっと暗いので、シャッタースピードを1/160~1/200秒ぐらいに設定しておけば、ISO100のF2.8でもほぼ真っ暗に写ると思いますが、日中の太陽光が差し込んでいる部屋で撮影する様な時は、レースのカーテン等で部屋を少し暗くしてみて下さい。
逆に、フラッシュ同調速度よりも速いシャッタースピードで撮影すると、シャッター幕の影が写りこんだり、上下が少し暗く写ったり等が起きます。ストロボにもよりますが、おかしいと感じた時はシャッタースピードを少し遅くしてみて下さい。

1/160~1/200秒に設定しておけば、部屋の照明を付けたまま撮影できますし、手持ち撮影もできるのでおすすめです。
露出について
定常光の撮影では、F値、シャッタースピード、ISO感度の3つで露出を調整しますが、ストロボ撮影では、F値、ISO感度、ストロボ光量で露出を調整します。先ほども少し触れましたが、ストロボ撮影ではシャッタースピードで露出を調整できないので注意して下さい。
また、定常光の撮影では、F値任意、ISO100固定、露出はシャッタースピードで調整している方がほとんどだと思いますが、ストロボ撮影では、ISO感度で露出を調整する機会が増えます。特に、F値を絞って(大きくして)撮りたい時は、ISO感度を上げるしかありません。
参考までに、僕が使っているガイドナンバー45のストロボで天井バウンスを行うと、ISO100、F8ぐらいから光量不足になります。
下記の写真は、ストロボ1/1、ISO100、F8.0、SS1/200で撮影しました。

ストロボはフル発光しているので、明るくしたい時は、F値及びISO感度で調整するしかありません。
理想を言えば、ストロボの光量で露出を調整できるに越したことはないのですが、少しぐらいISO感度を上げても画質に大差はないので、個人的にはISO感度を最初から200~400ぐらいまで上げて撮影してもいいのかな?と思います。フル発光も減らせます。
最後に
ストロボを使った天井バウンスの撮影に難しい設定や知識は必要ありません。
暗ければストロボの光量を上げる。F値を小さくする。ISO感度を上げる。明るすぎれば逆のことをするだけです。また、TTL機能の付いたストロボであれば、ストロボの光量は自動で調整してくれるので、最初から適正露出及びそれに近い露出で撮影できます。興味のある方は、ストロボは難しそう?といった先入観を捨てて、天井バウンスで撮影してみて下さい。
難しい説明を聞くよりも、実際に100回ぐらいストロボを発光させて撮影した方が早く覚えられると思います。

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